COUNT DOWN '98
Nouvelle Vague
1998.12.23 日本武道館


プリンセスプリンセスが解散、谷村有美が活動停止して、武道館に行くことも少なくなった。アルフィーを武道館で見るのも14年ぶり。さすがに14年前の事はあまり記憶にない。席が2階の西スタンドだったか・・・?
とにかく、久しぶりの武道館だ。新宿から都営新宿線で九段下へ。「チケット譲ってください」「譲ります」と書いた紙を掲げる人が結構いる。女子トイレの長蛇の列の脇をすり抜けトイレへ。女の子は大変だといつも思う。
エスカレーターと階段を上ると、外はすっかり暗くなっている。田安門へ向かう人の群。そしてダフ屋の声。おおーいかにも武道館。
門の周辺では歌声が響いている。「挽歌」「トラベリングバンド」など。さすがに最近の「プログレ」はできないか。少し早めに着いたので、まだ空いている物販で、パンフ・ストラップ・Tシャツ・ビニールバッグを買う。「限定ポチウォッチ」なるものも売っていたが、特にポチに思い入れはないので素通りする。女の子には高見沢氏デザインのキャラクターは好評のようだが、男の反応はどうなんだろう??33の男がポチTにポチウォッチもないもんなぁ。
なんか食べておくか、と、フランクフルトと缶コーヒー。しかし、早く来すぎたか。おまけに一人で話し相手もいないので、暇でしょうがない。あてもなくブラブラしていると、何か正面付近の様子が違うような気が・・・。よく見ると、道路から正面入口へ向かう所の両脇が整備されて綺麗になっていた。柵が座れるようになっていたので、そこでしばらく、なんとなく通り過ぎる人たちをながめていた。
突然右の方から「挽歌」が聞こえてくる。男一人と女二人が、でかい声で歌いながら近づいてきた。ほえ〜っ、なんじゃこいつら?そのまま俺の前を通過して、時計台のほうに行ってしまった。するとまた戻ってくる。相変わらず「挽歌」。また通過していく。ドップラー効果のかかった「挽歌」を初めて聞いた。
記念チケットをみんな持っているのを見て、その存在にやっと気付く。そんなこと、この時間になってやっと気付くとは、自分がいかにアルフィーから遠ざかっていたかの証明である。正面右の窓口で記念チケットと・・・交換??あれ?交換しちゃうんだ。交換しちゃったら席番号がわからなく・・・あれ?書いてあるの??へぇ〜〜。そうなの。夏イベの時もそうだったが、しばらくアルコンから離れていたので、見るもの聞くものすべて驚きの連続である。
開演15分前に中へ入る。席は1F南東K列29番。つまり、1Fの一番後ろ。壁に張り付いた席だ。普通背もたれの上に番号が書いてあるが、この列は座る部分の裏に書いてあるので、一瞬とまどった。通路から一段高くなったところに席があるので、立つと2階席の張り出しでステージの上の方(スクリーンの中央から上)が全然見えない。だからといって、通路に降りると前の人の頭で今度はステージ自体が見づらい。なんだかなぁ〜。でもまぁ、夏イベのHブロックからすれば天国か。
最近、武道館に来るたびに、「狭い!」と思ってしまうのは何故なんだろう?他のアリーナクラスの会場に慣れてしまったか。右隣はカップル。左隣はいかにもアルコン慣れしていそうな女二人。男一人というのはさすがにあまりいない。
18:08(多分)スタート。1曲目は当然のように「Nouvelle Vague」。特にひねりはないのね。高見沢氏ハナっから叫ぶ。「Buttle for your Pride!」のところで腕を振り上げるヤツがいるが、ちょっとマヌケではないか?と思いながら、自分はまだちょっと冷め気味。
2曲目「STAR SHIP」。このイントロで、ようやく気分が盛り上がる。「STAR SHIP」と武道館といえば、イントロと同時に一斉に光った、ステージいっぱいの星電(これは舞台用語か?小さい電球ね)を思い出す。あれはいつのことやら・・・。
「Brave Love」「Crisis Game」と続き、坂崎氏のMCへ。
「初めての武道館、1983年8月25日!」すかさず、「24日〜!」と客席からチェックが入る。「来た?そんとき?」。ん〜来ましたよ坂崎さん。松戸のキャンペーンで、あなたに「松戸の少年!」と言われた弟と一緒に。二人ともVHSのテープをもらっちゃって、当時家にはベータしかなかったから取り替えてもらったっけなー。懐かしいのう。月日の流れを延々と語る坂崎氏に、桜井氏から「長いよ」の声。
「長いですね。こんなことをしみじみ語ってる場合じゃないですよ、坂崎さん。はいどうもすいません。はしょりましょう!はしょらせていただきます!!」坂崎氏ちょっと変。テンション高過ぎ^^;
「かのビートルズもこんな歌をうたっておりました」で、ビートルズの「Girl」からアルフィーの「GIRL」へ。アルフィーがいろんなアーティストのカバーしてくれるおかげで、それをきっかけにオリジナルを聞きはじめる、ということが多かった。洋楽など全く興味がなかった高校生の自分が、ビートルズ・CSN&Y・S&G・アメリカ・スリードッグナイト・CCRなど、必死に聴いたもんだ。アルフィーと出会わなければ、おそらく一生聴かなかっただろう。それをコンサートでまた生で聴けるのは本当にうれしい。
「FLOWER REVOLUTION」「BLUE AGE REVOLUTION」と、俺がアルフィーから少し離れていた頃の曲が続く。
そしてパイプオルガン風の荘厳なイントロから「孤独の美学」へ。うひゃ〜!これ好きなんだよ!うれしい〜!ちょっと冷めかけていた気持ちが、これで爆発してしまった。この曲を聴くと、
「THE RENAISSANCE」のTVスポットを思い出す。オリジナルとは少し違ったアレンジだが、やっぱりこれカッコイイなー。
「武道館いいなー。ねー。じゃ、しばらくの間、席の方に着きましょうか。ね。」坂崎氏の言葉と共に全員着席。この日で43回目の武道館だそうだ。アルフィーファンとかいいながら、俺はたいして見てないんだな、とつくづく思う。武道館へ来た回数では、プリプリが圧倒的に多いもんな。そのプリプリも今はないわけで、アルフィーがそれを抜くのは確実だ。今年、本格的にアルコンに戻ってきたからには、もうアルフィーがなくなるか、俺が死ぬまで行き続けるだろうから。
「この季節に合ったこの曲から・・・」という一言で、「冬将軍?」と一瞬思ったが、「木枯らしに抱かれて」だった。あれ?これ生で聴いたことあったっけ?キョンキョンのは生で聴いたけど。(いろいろ行ってますなぁ^^;)。
「PRIDE」「 幻想〜ILLUSION」と続き、夏イベのあの暑さが少し甦る。「君よ闘え!」俺は闘っているのかな?とふと思う。特に学校を出てからは、なんとなくズルズルとこの年まで来てしまったような・・・。でも、高校生の自分と今の自分を比べれば、やっぱり違っているわけで、わずかながらも成長はしているんだろうけど。常に、このままじゃいけないと思いながら、現状に甘えてしまう自分を腹立たしく思うことは、確かに多い。ちょっと反省。
「幻想」は聴くたびに「祈り」かと思ってしまうが、まあいいか。「あなたのすべてを愛の歌で守りたい」高見沢氏の高音が響く。
CSN&Yの「OHIO」から「シュプレヒコールに耳を塞いで」へ。「幻夜祭」 「ジェネレーション・ダイナマイト」 「ROCKDOM」 「終わりなきメッセージ」 と”1969”を歌った曲が続く。単純に音楽として聴くぶんには、どれもいい曲だと思うし、それぞれ楽しめるのだが、詩の世界を深く考えてしまうと、どう対応していいものか正直言って迷ってしまう。
1969年、俺は4歳。当然、どんな世の中だったかなど全く覚えてないわけで、後々伝え聞いただけではやはりピンとこないのは仕方ない。33歳の人間がこんな調子なのに、今ここに来ている10代、20代の人間には、これらの曲はどう聞こえているのだろうか?たいして深くは考えてないんだろうなぁ。でも、だとしたらアルフィーとそれらのファンの関係って何なんだ?ただ単に「タカミーかっこいい!」「幸ちゃんおもしろい!」「桜井さんステキ!」っていうだけ?まあ、それはそれでいいけどね。少しは彼らが何を考えているかを知ろうとすることも、大事なんじゃないかな、と思った。そんなことはお構いなしに、こういう曲を作り続けるのもアルフィーならではだろう。
あっというまに本編終了。そしてアンコールパート1。ポチの失恋の涙から、画面はラスベガス?で、ヒッピー登場。人生は「七転び八代亜紀」だって(笑)「関口さんて人がよくやってる」パチスロで儲けたらしい。ラスベガスなのに^^;。
「こう後ろから押してくれるような、そんな歌が欲しいねぇ」の言葉で「Stand Up Baby」へ。あれ?高見沢氏は?と思ったら、飛んでました(笑)。何持ってるの?ギター?よく見るとホウキではないか!魔女か!?右へ左へ飛ぶ飛ぶ。こんな所で宙乗りを見るとは思わなかった。空飛ぶのはシャ乱Qだけかと思ってた。若いねまだまだ。
「Good Times Boogie」「American Dream」と続き、メンバー紹介。長谷川氏、山石氏の紹介の後、高見沢氏叫ぶ!
「We are THE ALFEE!知ってるか!?」なんだそれ?(爆笑)よ〜く知ってますって。
「フリューゲルスは今日も勝ったぞ!」おお、勝ちましたか。「VICTORY」の雄叫びで客席が一斉に旗に埋め尽くされる。ほーっ、これが噂のビクトリーですか。なんか盛り上がると言うより物珍しさが先に立ってしまった。F大好きのうちの弟に見せてやりたいもんだ。でもこれじゃステージが見えない人が多いんじゃないの?
今は状況が状況だけに、フリューゲルスがんばれ!でまとまるのもわかるが、今まではどうだったんでしょう?アルフィー大好きのマリノスサポーターもいるだろうに。と、レイソル好きの俺は思ったのであった。何年か後には、Something ELseが柏レイソルの応援歌を歌ってたりして・・・。
桜井氏の三三七拍子で、アンコールパート1終了。そして再びアンコール。
衣裳が今までのハデハデから一変して、おとなしい感じに。お、これはアコースティックに行くな、と直感。
AMERICAの「Ventura Highway」の印象的なイントロが流れる。うあ〜こんなのやるか!気分は一気に高校1年生に戻った。オールナイトニッポン2部を聴いていて、この曲を初めて聞いたときのあの気持ちが、明け方の眠気や薄暗さと共に甦る。
そして「過ぎ去りし日々」。友人からギターを譲ってもらい、へたくそながら弾けるようになった最初の曲がこれだった。今はすっかり指先のタコもなくなってしまったが・・・。久しぶりに聴いたが、やっぱりいい曲だなぁ。
高見沢氏が2Fのはじの方、1F、アリーナとあいさつをし、2Fの真ん中を忘れてブーイング。「失礼しましたー!悪かったよ!アルフィーのファンは歌詞のミスは許すが、こういうミスは許さないな」と言ったところで、坂崎氏から「誰も許すとは言ってない。大いに反省すべきです!」とまたもやつっこまれる。「こういうカバー曲は、練習しなくてもすぐできるけど、Nouvelle Vagueの曲は一生懸命練習しないとできない(笑)」。そうねー。練習してね高見沢さん。ギターも歌もちょっとねぇ・・・。
そして最後は「My Truth」。これはちょっと意外だった。
はぁ〜、終わっちゃった。今さらながらだが、アルフィーは変わってなかった。夏イベの時も感じたが、これで俺もすっかりアルフィーモードに入ったな。最近、本当に楽しみ!といえるコンサートがなくなっていて少し退屈だったが、なんだ、こんな近くにこんな楽しいコンサ−トがあったじゃないか。坂崎氏がMCで言っていた「笑顔で帰る危ない集団」の言葉とはちょっと違うが、一人ニヤニヤしながら(怖いな)、武道館帰りのお約束、新御茶ノ水駅まで歩いたのでした。


BACK