フォークソング紀行 〜アルフィー唄い歩き〜
1981. 2. 5 松戸市民会館(千葉県松戸市)
録音OKだった当時のコンサート、安物のテープレコーダーの内蔵マイクで録音したものを書き起こしました。
<< 第1部 >>
#1 やさしさをたずさえて(フォークソング紀行テーマ)
(間奏をバックに)
幸: はい!みなさん、こんにちは。アルフィーでございます。
はい、今日はですね、このコンサートのタイトルでもあります、「フォークソング紀行」、それの第5日を迎えたわけでございますけれども、今日は東京から約、車で2時間、千葉県の松戸にやってまいりましたけれどもね。
もう、乳搾りを終えたお嬢様方がたくさん集まりましたが、今日は千葉初めてということなんで、我々アルフィーもはりきっております。是非最後まで、ごゆっくりと楽しんで頂きたいと思います。
幸: 前略、寒さ厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか?僕は元気です。
今、アルフィーは松戸市民会館のステージの上に立ってます。今、1曲歌い終わったところです。この熱気を伝えたくて、ペンをとった次第です。
立春も終わり、松戸の皆さんが暖かい春がくるのを、今か今かとまつどーしい・・・。(笑)
ま、冗談はさておきまして、今日は「フォークソング紀行・アルフィー唄い歩き」ということですけどもね。
この「フォークソング紀行」とは一体なんだとお思いの方がたくさんいらっしゃると思うんですが、「フォークソング紀行」というのはですね、当時我々がギターを始めた頃、また、フォークソングを歌い出した頃というのはですね、若者が、自分たちの手によって作るコンサートが多かった。そして、あの頃のフォークソングというのは、非常にいい歌が多かったと思いましてですね、これを全国、アルフィーが唄い歩いて、みんなに古き良きフォークソングを聞いていただこうということで、これを企画したんですけどね。
やはり、若い方はそれなりに昔のフォークソング、そして、ご年輩の方は懐かしいという気持ちで聞いていただくと。
ま、フォーク、フォークといえばすぐ・・これ、汚いもう、どっから持ってきたんだ?骨董品屋から多分持ってきたと思うんですけども、これ、ウッドベースっていうんです。知ってます?バイオリンじゃないですからね、お嬢様方。
これ今日、松戸のコンサートのために、こいつがバイオリンにローヤルゼリー飲ませたの、ローヤルゼリー。こんなにでかくなっちゃったの。飲ませすぎると大変ですからね。
これ、今は少なくなってしまいましたけれどもね、ウッドベースね。非常に便利な物でございましてね、昔はフォークやる人は全部これ持ってたんですが、非常に旅に行く時とか便利でして、この穴あいてるでしょ、ピョッとね。この中に荷物が入る。
あと、泊まるとこが無い時、旅に行って泊まるとこが無い時、これが部屋になるの、部屋に。本当ですよ、ほら、ドアって。お嬢さん、たいへんなんすから。
で、古いですけどちょっと音をね。もうひどい音です。くさってますからね。弾くヤツが弾くヤツですから、もう。ちょっと音出してくれます?
「(ボン!)」
ちょっと!!もう全然音が伸びない。なんかほら、くさってるから。ねぇ。大丈夫?お、じゃぁほら、ちょっとウッドベースっぽいのを。
(桜井、JAZZYなベース)
どうしたの?ちょっとなんか、「11PM」みたい。なんたって、明日は大阪よみうりテレビってなもんで。うっしっし。シャバダバシャバダバ・ウーシャバダバ・トゥントゥントゥントゥン・・・THE
END。
えー、とにかく、古き良きフォークソングを、これからアルフィー、今日はね前半は歌いたいと思いますんで、お若い方はそれなりに、ね、昔はいい曲があったと、そしてまたご年輩の方は、懐かしんで頂きたいと思うんですけども、日本のフォークソングっていうのはまず、どこから来たかと申しますと、これがアメリカ。アメリカのフォークソングでしてね。ま、当時はもう十何年も前ですけども、アメリカではベトナム戦争ってのがありましてね。で、フォークソングを使いまして、あの、フォークソングを利用してね、反戦歌をアメリカの若者は歌ってたんですけど、例えば、「悲惨な戦争」とか、あと「500マイルも離れて」とかですね、「花はどこへいった」とか、名曲がたくさんあります。
向こうのバンドでは何でしたっけ、ブラザーズ・フォーとかキングストントリオ、あるいはPPMとか、公害じゃないですよ。ピーター・ポール・アンド・マリーなんてのがいましたけど、それでは、当時の代表的な曲でございます。日本にも最初に入ってきたフォークソングだと思うんですけども、「花はどこへいった」、これをまず聞いていただきたいと思います。
#2 花はどこへいった
幸: はい、どうもありがとう。「花はどこへいった」聞いていただきましたけれども、こう、アメリカからまずフォークソング伝わってきたんですけどもね、最初はこれコピーするだけの学生さんたちも、物足りなくなって、自分たちでいろんな歌を作るようになったんですけどもね、特に関東の方では、歌の内容はともかくとして、若者のファッションの一つとして、このフォークソングが新しい音楽として流行ってきたんですけども、特に、マイク真木さんがいらっしゃいましたモダンフォークカルテットですね、マイクさんといえば今子供とでてますけど、あと黒沢久男さんですか、林寛子さんの旦那さん、あの人いましたブロードサイドフォーなんていましたけど、当時はとにかく、メロディーがきれいなのが多かったんですけどもね。
じゃぁ当時、関東で流行ってた曲といいますか、一番よく歌われた曲だと思うんですけども、「星に祈りを」聞いていただきたいと思います。
#3 星に祈りを
幸: はい、ファッションの一部として関東の学生が取り入れたわけですけど、反面、一方ですね、関西の方はどうだったかと申しますと、あの当時関西は、アメリカがベトナム戦争で反戦歌を歌ったように、フォークソングを使いまして、生活の歌、働きながら歌う人が増えてったんですけどもね、特に社会に向けてとか、あと70年安保に向けてのプロテストソングを歌ってたんですけども、えー岡林信康さんね、「山谷ブルース」とか、「流れ者」「チューリップのアップリケ」なんていい歌たくさんありました。
あと高石ともやさんなんかが中心となりまして、関西フォーク、盛り上がっていったわけですけども、当時よく集会なんかで、集会っていうの知ってます?みんな集まってね、集会でみんなが歌った曲があるんですけども、岡林さんのうたで「友よ」っていうのね、これみんなでよく大きな声で歌ったんですけども、それでは聞いていただきたいと思います。「友よ」!
#4 友よ
幸: どうもありがとう。「友よ」お送りしましたけども、えー関西の方でも、グループが、いろんなグループが出てきましてね、これは私たちも大好きなグループなんですけどね、元祖3人組!3人組の元祖といわれてますね、あの漫才とフォークを融合させたといいますかね、フォーク・クルセダーズ!まぁすごいんですよ。彼らのデビュー曲っていうのは非常にセンセーショナルでしてね、一気に売れたと思ったら、1年で解散してしまったんですけども、じゃぁ、フォーク・クルセダーズの代表的な、ね、デビュー曲をね、ちょっとここでやってみたいと思うんですけども、
#5 「帰ってきたヨッパライ」
幸: はい、これ。「帰ってきたヨッパライ」。これがデビュー曲なんですよ、フォーククルセダーズね。その反面、いい歌もいっぱい歌ってたんですよ、フォークルは。 例えば、「悲しくてやりきれない」とかね、「青年は荒野をめざす」、あと、「戦争は知らない」。
本当にね、メロディーが。あの北山修さんの独特な詩の世界がありましてね。あと、加藤和彦さんのメロディーのセンスの良さ。ね。あれが、当時の若者にうけたと思うんですけども、えー、フォークルで放送禁止になった歌、当時話題になった曲なんですけど、一曲あるんですが、それを今日、アルフィーはあえてやってみたいと思うんですけどもね。「イムジン河」という曲、お送りします。
#6 イムジン河
幸: はい、どうも。フォーククルセダーズで「イムジン河」でしたけども、このように、若者のフォークはですね、定着してった。
で、これは売れるということで、悪い大人が目を付けましてね、いろんなレコード会社の人たちが、「大人の作ったフォークソング」、これを売ろうと思ってね、商売にしようとしたんですけど、特に、東芝レコードなんかたくさんいろんな人がでましたけども、トワ・エ・モアとかねベッツィ&クリスなんていました。可愛かったですね。
あと、シューベルツ、クライマックス、とにかくいろんなアーティストがいましたけども、あとビリーバンバンもいましたね。そして、ね、もう売れるもんだから、中年のおじさんのグループも出てきたりとか、あと、おばさんが歌ったりとかしてね。
おばさんフォークの決定版といえば、岸洋子さんの「希望」っていうやつ、これはやっぱり当時売れたんですけどもね、知ってる方いたら、一緒に口づさんでもらっても結構でございます。それではお送りします。「希望」。
#7 希望
幸: はい、「希望」聞いていただきましたけれども、だいぶフォークソングっていうのが、この頃は定着してきたといいますか、売れるようになってきまして、コンサートなんかで、当時の、これがひとつのあれなんですけども、コンサートの最後にいつもみんなで歌う歌なんですけど、先程の「友よ」、ね、あれも結構みんなで歌ったんですけども、ひとり歌唱指導が出てきまして、これは面白いですよ、「友よ」でしたら、例えば、先に歌詞を教えるんですね。
友よ! ♪とーもよー
夜明け前の! ♪よあけまーえの
闇の中で! ♪やーみーの中でー
友よ! ♪とーもよー・・・
こうやって先に歌っちゃって、歌詞をみんなに教えて、で、全員で合唱するっていうのがあるんですけども、今日はそれやりたい・・・んですけど、歌っていただきたいと思うんですが、コンサートの最後に、この歌とにかくしょっちゅう歌われてた歌なんですけどね。今でも、キャンプファイアーなんかやると歌うと思うんですが、「今日の日はさようなら」っていうのね、知ってるでしょ?もうすごいですよこの歌。簡単ですからね。
ここからこっち、ここ真ん中としまして、こっちがちょっと練習しますんで、ね、高見沢に合わせて、ね、このオカマに合わせてやっていただきたいと、ね、女好きのオカマですけども、へへっ、えー「いつまでもたえることなく」ってね、知ってるでしょお兄さんね。いきますよ。いつまでも・・いちにのさん
♪いつまでもたえることなく
幸: ともだちでいよう
♪ともだちでいよう
幸: 明日の日を夢見て
♪明日の日を夢見て
幸: 希望の道を
♪希望の道を
幸: いいですねー。なんかいいねー、これはもう。高見沢先生最高!
えー、今度はこっちね。なんだっつうの!やくざみたいな顔してますけども、「今日の日はさようなら」っていう雰囲気じゃないよね。大丈夫ですか?じゃあね、これに合わせてやってみますよ。いちにのさん
♪いつまでもたえることなく
幸: ともだちでいよう
♪ともだちでいよう
幸: 明日の日を夢見て
♪明日の日を夢見て
幸: 希望の道を
♪希望の道を
幸: ウマイ!!いいですねー、今日は!
俊: いいですねー。
幸: 歌声喫茶みたいになってますけど。いい雰囲気ですよ。
それでは全員で、ゾウさんチームとタヌキさんチーム合わせて、みんなで歌いますよー。いいですかー?「いつまでもたえることなく」ね。いちにのさん・・・って言いましたら歌いますからね。2階のかたもよろしくお願いしますよ。ほんとにもう、3階の人もいきますよー。じゃぁ、いちにぃはい!
♪いつまでもたえることなく
幸: ともだちでいよう
♪ともだちでいよう
幸: 明日の日を夢見て
♪明日の日を夢見て
幸: 希望の道を
♪希望の道を
幸: 空を飛ぶ鳥のように
♪空を飛ぶ鳥のように
幸: 自由に生きる
♪自由に生きる
幸: 今日の日はさようなら
♪今日の日はさようなら
幸: また会う日まで
♪また会う日まで
幸: 信じあう喜びを
♪信じあう喜びを
幸: 大切にしよう
♪大切にしよう
幸: 今日の日はさようなら
♪今日の日はさようなら
幸: また会う日まで
♪また会う日まで
♪んーーー(ハミング)
幸: どうもありがとうございました。非常にいい感じになりましたけどもね。
このように、今までずっとこういう風にやってきました様にですね、いろんなフォークソングがあるんですが、これらが元になって、今のいわゆるニューミュージックといわれるね、えーニューミュージックにつながるんですが、ニューミュージックというのは、例えば松山千春さん、グループで言えばアリスとかオフコースとかですね、あとテクノ。イエローマジックオーケストラとかジューシーフルーツなんか、もうごっちゃまぜ!ニューミュージックっていうのはね、いろんなのがありますけども、われわれアルフィーはですね、やはりフォークソングね。アコースティックギター、これをやはりこれからも続けていきたいなと思ってるわけですけども、高見沢!フォークソングといったら、何がフォークソングだとお思いでございますか?フォークソングとは何ぞや?
俊: そうですねぇ。フォークソングといいますとやはり、プロテストソングとか、いわゆるメッセージソング、ラブソングなんかも、労働歌、まあそれも含まれるんですけども、僕にとってフォークソングというのはですね、心の中にいつまでもあるもの、それから、誰でも簡単に口ずさめる、そんな歌だと思うんですけど、そういう観点からしますと、日本にも古くからフォークソングの心を持った歌があるんですね。
僕は以前、NHKというところで「午後のロータリー」という番組で、曲の選曲なんかディスクジョッキーしながらやってたんですけども、その時に、童謡だとか、小学生唱歌なんかをね、かけてみたんですけども、非常にこれが、昔歌ったというイメージよりも、今改めて聞くと、非常にいい歌、なんかすごくね、心が安まるといいますか、改めて再発見したんですけども、こんないい歌をね、もう一度僕らはステージでやってみたいなと思ったのも、このコンサートのきっかけの一つなんですけども、それじゃ、その中から一つ聞いてください。「花嫁人形」です。
#8 花嫁人形
俊: はい、えー「花嫁人形」でしたけどもね。こういった童謡とか唱歌をいろいろと調べてみますとね、どんなときに一番作られたかというと、大正時代、大正デモクラシーですね、「赤い鳥」という童謡雑誌がありまして、それにはですね、その当時、日本の一流の詩人、北原白秋、野口雨情なんていう一流の詩人が、これからの日本を背負って立つ子供たちのために、童謡を書いていたと、そういった国にね、我々は育ってきたんですけども、やっぱりこれはね、僕一番感じるんだけど、そういった人たちが、次の世代を背負う人たちのために歌を書いていたと、まあこれは、僕らも歌を作って発表してるわけなんですけど、そういった考え方を持って歌を作っていく、それも一つの、なんか、これからやっていく僕らの仕事の一つです。それじゃぁもう一曲、僕らの好きな曲です。「赤い靴」聞いてください。
#9 赤い靴
俊: 童謡というとですね、僕の想い出なんですけど、僕も小さい頃非常に腕白でして、よく怪我したんですけども、その時におふくろにですね、医者に連れてってもらって、その帰り道夕焼けなんかがきれいでしてね、よくおふくろがこう歌ってくれたんですね。「夕焼け小やけ」とか「赤とんぼ」とか。
そういった記憶があるんですけども、坂崎なんか、なんかあります?
幸: え?
俊: 童謡とか唱歌の想い出とか。
幸: うちの場合はほら、商売やってたもんですから。酒屋をやってたんです。
俊: 酒屋!
幸: 軽い商売ですよー。酒屋をやってましたけどね、親と話す機会っていうのがあんまりなかったんです。ですから、おふくろとかおやじにそういう童謡を聞いたっていう想い出は、あんまりないんですけども、学校の唱歌は、小学校の教科書の音楽の、あぁいうのは僕好きだったんです。珍しい小学生でしてね、音楽はいつも5でしたよ。すごいのもう。
俊: 信じられませんね。他の科目はどうでした?
幸: 全然だめでした。
俊: 桜井なんかやっぱり秩父ということでね、簡単にいうと秩父というのは山と川に囲まれてて、童謡にはぴったりですけどね。なんか想い出は?
賢: 裏には畑とか、山とか谷、全て揃ってました。童謡そのままでした。
俊: はい、ありがとうございました。わかるような気がします。
えーそれではですね、僕らもこういった懐かしい歌とかですね、童謡、想い出たくさんあると思うんですけど、皆さんもですね、きっとこういう、なんていうのかな、幼い日の想い出とか郷愁とか初恋とか、いろんな想い出があると思うんですけども、えー坂崎レポーター!
幸: ほい!
俊: えーとですね、マイクをこう持ちましてですね、下にひとつ降りてって、皆さんにそういった郷愁だとか・・。
幸: 郷愁ですか。
俊: 想い出だとか、懐かしい遊びとかね、そういうの聞いてもらいたいと思うんですけども。
なるべくご年輩の方が。
幸: ご年輩の方!ご年輩ね・・・。ご年輩じゃないですね、まだね。
あ!お父さんがいますね。お父さん、話してくれっかなー?しゃべってくれっかなー?大丈夫ですか?
すんまへんけど、おいくつですか?
客: えぇと39です。
幸: お!39歳!ようこそ。
あのーどうですか?今までいろんな歌やってきたんですけども、聞いててなんか感じることなんかありますか?
客: そうですねー。あのー僕フォークが好きなんですね。
幸: そうですか!
客: いつもフォーク聞いてます。
幸: どうもありがとうございます。今度僕らのも聞いてくださいね。
客: あ、レコード買ってます。・・・・・嘘です。
幸: レコード買ってます嘘です(笑)。あの、小さい頃のなんか、想い出の歌とかありますかねー。
客: そうですねー、んー、あんまり・・・。
俊: はい、ありがとうございましたぁ。はい、えー坂崎選手、次の方どんどん行ってください。
幸: はい。じゃあ、女性の方がいいですね。どうもありがとうございました。
じゃ、後ろの女性の方ね。あのー、こんにちは!
客: こんばんは!
幸: あはっ・・・。
俊: ダメだよおまえは!こんばんはだろ!
幸: そうですね。えーなにか想い出の歌とかありますでしょうか?
客: 想い出の歌っていうより、あのー、「花嫁人形」大好きなんです。
幸: あ、大好き。
客: で、いとこの結婚式の時に、妹と二人でこの歌を歌った想い出があるんです。
幸: あ、そうですか。素晴らしい想い出ですね。
客: あのー、握手してください。
幸: あ、どうも。
客: あらためてファンになりました。
幸: あらためてファンになりましたか?僕の?どうもありがとうございました。
俊: ありがとうございました。
幸: っていうことなんですよ、高見沢さん。
俊: そうですか。まあ、皆さんもいろんな想い出あると思うんですけど、それではですね。
幸: はい!
<<<<<ここから オフマイク>>>>>
俊: ここで、実験をしてみたいと思います。
えー、ここからはですね、マイクロホンというのを無視してやってみたいと思います。こういったマイクの音の替わりに、生の声でですね、1曲歌わせていただきます。「赤とんぼ」でございます。
#10 赤とんぼ
俊: はい、ありがとうございました。
非常にですね、懐かしさいっぱいでございましたけれども、まぁこういった古い歌を、何故今僕たちが歌うか、ま、先程のフォークソングもそうなんですけど、歌詞がですね、先程の「友よ」とか「今日の日はさようなら」とか、ああいう簡単な歌で、僕らは慣れていまして、その前はどうだったか?幼い頃ああいった童謡とか、唱歌を聞いて育ってきました。今そういった、簡単で口ずさめる自然体の歌っていうのが少ないんじゃないか、ということがですね、非常に悲しく、今もう一度、僕らの手で、そういった歌を作ってみたい、それが僕らの一つの夢であります。
そういった意味で歌ったんですけども、それが一つの「フォークソング紀行」、それの趣旨の一つなんです。
それからもう一つ、僕らはですね、このようにして全国各地廻ってるんですけども、その土地土地にはですね、いろんな伝説とか民話があります。これを集めて、あらためて消化して、その中で気に入った物がありましたら、それを元にして、歌を作って、まあそういう風にしていきたいと思うんですけど、今日は千葉県松戸市ということでしてね、いろんな、えー、千葉県にもいろんな伝説や民話があります。その中で、僕が選んだやつを皆さんに紹介したいと思います。
えーこれは、千葉県市川市、真間というところですね、そこの民話なんですけど、『真間の手児奈』という民話です。
〜〜〜〜〜〜〜高見沢氏、『真間の手児奈』の朗読〜〜〜〜〜〜〜
俊: こういった話は、男の性と女の性の違い、そういったものを教えてくれるような気がします。
それではですね、今まで僕は、男と女の情の世界についての歌を作ったことはないんですけど、今回こういった話を聞いて、そういった情念の世界というものを元にして、このコンサートのために作った曲です。
「情念」という曲です。
#11 情念
<< 第2部 >>
#12 落日の風
#13 Something Blue
幸: はい、ありがとうございます。
第2部はもうしっかりと、もう衣裳も変えましてですね、アルフィーの歌を聴いていただこうと思うわけですけども、では、今日アルフィーを初めて見る方、たくさんおられるんじゃないかと、ね、思いますんで、まずあのーメンバー紹介してみたいと思います。
向かって右側からいきたいと思いますけども、はい、アルフィーの制作部を担当しております。もう凄いんですよ。作詞作曲この人がやってるの。先生!スゴイの。
あと生活指導もやってます。なのに素行が悪い。で、名前が、こいつ下の名前が俊彦っていうの、俊彦。トシちゃん。同じキャニオンレコードですから。
で、田原君と組んで2人トシちゃん作ろうっていってるの。で、僕が3人にしなさい3人にって、トリオにしろって。敏いとうさん入れなさいって。大変でございますけど。
で、俊彦ね。これ、駅のホームなんか行きますと、最近ほら、松戸の駅なんか行きますと、ね、お嬢様方が、「トシちゃん大好き」とかね、田原君のファンの方でしょうね、あれ。
「トシちゃん大好き」「愛してますトシちゃん」「俊彦君・ゆみちゃん」なんて書いてますけど、こいつはそこ行きますと、すごいの、「アルフィーの」って書いてくるの。大変ですけどね。
女好きのオカマと呼ばれてます。高見沢俊彦です。よろしく〜。
俊: どうぞよろしく。
幸: ねー。もう、田原君にも負けない人気!ははは。
えーそして左隣でございますけども、ね、暗い顔してるでしょ。秩父ですからね。千葉よりすごいですよ、埼玉の秩父っつったらね。松戸なんかまだ東京から近いほうですよ、1時間でここまで来ちゃいますから。こいつんとこ帰るの6時間かかるの。
アルフィーの営業部を担当しております、営業部っていうのは楽器運搬、運転手、力仕事大得意!で、これ暗いでしょ。大きいでしょ顔。でも、本当に今日はね、松戸に来るっていうんで、これ一生懸命今皆さんにこれ愛敬ふりまいてるんですよ、まだ。サングラスとひげ取ったら大変ですよ。暗くて大きいから、墓石みたいになっちゃうの。
アルフィーの営業部を担当しております、桜井賢です!よろしく〜。マッチですよ、まさるですから。
で、あのー私がアルフィーのリーダーやってます。大変なんですよ、こんなメンバー2人かかえてますとね。オカマとヤクザですから。本当に大変なんですけども。
私がアルフィーのリーダーやってます、宣伝部担当、えー火曜日の夜ですけども、ニッポン放送というところでですね、オールナイトニッポンていうのをやってます。これがあのー(客席から拍手)あ、ありがとうございます。聞いてくれてるんですかね。
火曜日の夜、水曜日の早朝3時から5時まで、ね、で、1時から3時までやってるのが松山千春っていうの。あれを前座に置きまして、私2部やってますんで、えー聞いていただきたいと思います。アルフィーのリーダーやってます坂崎幸之助よろしく〜!
(客席から「幸二〜」の声)
コウジ!本名で呼ぶな!(笑)
それではアルフィーのメンバー・・・あ、そうだ。桜井賢の『ま』、高見沢の『た』、坂崎の『さき』、3人合わせて『またさきトリオ』ということでね、よろしくお願いいたします。
はい、えー、漫才じゃありませんからね。それでは、2曲続けて聞いていただきたいと思います。
じゃ、「さよならの鐘」そして「feeing love」、2曲聞いてください。
#14 さよならの鐘
#15 feeing love
幸: はい、どうもありがとうございました。「さよならの鐘」「feeing
love」2曲聞いていただきましたけどもね。
えーアルフィーは、まあ今日初めての方いらっしゃると思うんですけども、3年ほど前に、研ナオコさんのバックでですね、ナオコさんの「窓ガラス」っていう歌あったでしょ?覚えてます?チャララチャンチャンチャ〜チャチャ〜ンね。あの時に後ろで僕たち3人バックやってたの。
それで去年の、えーおととしだ、ちょうど2年前、1月にキャニオンレコードというところに移りまして、再デビューしたわけですけども、去年の1月からですね、コマーシャルソング歌ってるんですアルフィーは。そうなんですよ。多分ご存じないと思うんですけどもね。聞けば思い出すと思いますけども、去年の1月に、初っぱなにやったのが、僕が歌ってたんですけど、『液体アクロン』っていうの。毛糸がポワ〜っていうやつね。で、作ったのが所ジョージ。ね、あいつは簡単な歌しか作れないんですよ。ギターのコード3つしか知らないですからね。
じゃぁ今日は、せっかく松戸市民会館に来たんで、コマーシャルソングをちょっとやってみようかなと思うんですけど、はい、まずじゃあ1月にやりました、アルフィーの歌った『液体アクロン』の歌!
#16 「液体アクロン」CMソング
幸: これ、『液体アクロン』の歌。好評でした。
で、うちの先生に、高見沢先生に作ってくださいって依頼が来まして、これ7月から、まだ流れてますね。これすごい人気があるんですよ。CMの中でも名曲を作りましたこいつが。得意なんですから、こうゆうの作るのが、ねー。
で、高見沢先生に依頼が来て、これが久光製薬というところの、『ニューサロンパス』。先生が作ったんですよ。もー名曲でございますからね。ちょっとやってみたいと思います。
アルフィーの歌う、『ニューサロンパス』の歌!
#17 「ニューサロンパス」CMソング
幸: 名曲でございます。これはもうすごいの。今では大変。こいつはね、高見沢先生はね、得意なんですよ、あーいうCMみたいな短い曲作るのが。もう大変。小林亜星か高見沢かって言われてます。体が似てますけどもねー。いやいや。
えーもう一つ依頼が来まして、9月、去年の9月、これ皆さん驚かないようにひとつ、これ、高見沢先生に作ってくださいって、あの資生堂!すごいですよ資生堂が大変。
で、あの年に2回のでっかいキャンペーンじゃないですよ。ちっちゃいやつ。『リップアミュレット』っていうの。くちびるが乾いたときにピュッピュッてつけるやつ。ね、売ってるでしょ。あれの宣伝をこいつが、コマーシャルソング作ったんですけど、あの〜画面には出てませんからね。気持ち悪いですからね、桜井がリップアミュレットつけてたら。実生活では使ってるんですよ、こいつはね。鏡の前で、青いリップアミュレット塗ったりしてね。
それでは先生、大丈夫ですか?じゃあひとつお送りします。
アルフィーがお送りします、「資生堂リップアミュレットの歌」!はい!
(俊)♪ほんのり〜と〜色づいて〜ちょめのちょちょめ・・ちょちょっと待って!(笑)
(賢、突然前に出て、「アンコ椿は恋の花」を歌い出す)
♪三日〜遅れ〜の〜便り〜を〜の〜せ〜て〜 船〜が〜行〜く〜行〜く〜 波浮み〜な〜と〜
いくら〜好きで〜も〜あなた〜は〜と〜お〜い〜
幸: いいから!やめなさい!
(客、手拍子を始める。賢、歌い続ける)
♪波の〜か〜なた〜へ〜行ったきり〜
幸: コラ!手拍子するのやめなさい!コラ!宴会じゃないんだから、ここは!高見沢!お前はもうホントに。これ、自分で作ったんでしょ。「ほんのりと色づいて、君のくちびる」を「チョメのチョチョメで」って、お前ね〜。
ちゃんと「君のくちびる」!いいですか。「君のメンタイコくちびる」ですからね。「ほんのりと色づいて君のくちびる」。ね。
じゃあやってみたいと思います。アルフィーが歌う、「資生堂リップアミュレットの歌」!
#18 「資生堂リップアミュレット」CMソング
幸: はいどうも。
この三つ、去年CMソング歌ったんですけども、うまいですね。今のなんか覚えてる人いるでしょ、かなりね。今度TV見たら、ぜひあの「あ!あいつらだ!」ってね。「今日、松戸市民会館で見たヤツだ!」ってね、思い出していただきたいと思うんですけども、おととしね、先程言いましたように、アルフィーはキャニオンレコードから再デビューしたんですけども、じゃ、その時の曲でございます。「ラブレター」、聞いてください。
#19 ラブレター
幸: はい、どうもありがとうございます。
「ラブレター」、おととしの1月に出した、キャニオンに移って最初のシングル盤でしたけども・・・
(坂崎・高見沢チューニング中)
賢: 今年も1月になりまして、もう1ヶ月ちょっと経ちましたけれども、朝晩本当に寒いですね(笑)。
ここのところ、ずっと、北の方に行ってたんですけど、寒いです(笑)。
2月1日の荒川村長選挙も終わりまして、一段落してるといった具合なんですけど、選挙も無事に終わりましたし、豆まきも終わり、あと残すのはなんと言ってもバレンタインデーでございます。まああの、気持ちがいいですね、チョコレートがいっぱいになるっていうのは。
それから、まあ、バレンタインデーもあっという間に終わってしまいますし、えーそのあと・・・
幸: はい!どうもありがとうございました!
それでは「挽歌」、聞いてください!
#20 挽歌
幸: はい、どうもありがとうございます。
「挽歌」、お送りしましたけども、最近、わたくしが非常にね、思うことがあるんですけどもね。(咳き込む客)ちょっと!いきなり咳しないようにね。
ね、よく女性、OLの方とか、短大生、ね、大学生、女子大生なんてのはね、一流ブランド商品に弱い!
例えばね、カルチェのバッグだとか、ね。セリーヌだとか、ああいうのね。持ってるでしょ、みんな。銘柄で買うのが多い!そういうの僕は非常に頭きましてですね、本当ですよ!
例えばね、アリスとアルフィーだったら、アリスのレコード買う。もう名前だけで買っちゃうのが多い!
で、頭きまして私はそれね、なめんなよ!って感じで、あの〜・・・曲を一曲作ってきたんです、そういう曲を(笑)。一流ブランドこけおろしソングとでも申しましょうか、一流ブランドですよ、いっぱい、これ8番まであるんですけど、ね。
いろいろあるでしょ。そういうの織り交ぜて曲作ったの。だから、全部でいくつ入ってるか、数えといてもらえると、みんなも。これ、あとで素晴らしいプレゼントありますんで、アルフィーからね。ですからいくつブランド名が入ってるか、それを数えながらこれは聞いていただきたいと思うんですけどもね。いいですか?あとで手上げてくださいね。じゃ、いきますよ。
#21 一流ブランドこけおろしソング (「幼なじみ」の替え歌)
幸: さあ!数えたかなぁ?さあ、いくつだったでしょうか?手上げて!
客: はい!
幸: はい、じゃあ、その赤と白のお嬢様。
客: 24!
幸: 24、他にありますか?はい、後ろの方はどうですか?あ、そこの、はい。
客: 14!
幸: 14、ずいぶん少ないですね。えーはい、その白い人。
客: 22!
幸: 22、他には?
客: 21!
幸: 21、高見沢先生、いくつですか?
俊: 22でございます。
幸: 22です。22でした!22って言ったの誰でしたっけ?
客: はい!
幸: はい、お嬢さんですね。よかったですね。
じゃあ、22、正解ですので、帰りに受付のとこに行ってくださいね。クイズで当たりましたって。名前を言って、しっかり書いといてください。そしたら受付の人が「ああそうですか」って言ってくれますから(笑)。失礼しました!
#22 夜汽車
賢: えー、こうしてずっと、ツアーを重ねてきまして、なんかまた一つ、歌のすばらしさを知りました。これからもしっかり歌います。聞いてください。
#23 北より (のちの「北のHOTEL」)
俊: えー、「北より」という曲でしたけども、今の歌もそうなんですけども、僕らの作る歌っていうのは、ほとんどがラブソングなんです。ラブソング、恋、こんな言葉があります。
「恋の味を強烈に知るなら、それは片想いするしかないだろう」。
まあ、そういった意味で、俺は今年27になりますけども、僕も、その味というものは何よりも知っております。そんなことが一曲一曲に込められて、これからもそういった歌を作っていきたいなと思ってます。
ただ、これだけは言えます。思いっきり燃えて、それで別れた恋なら、いつまでも心に残ってるし、少しずつ少しずつ優しくなっていく、そんな気がします。
次の歌も、そんな僕の個人的な恋愛をね、それをヒントに作った歌です。
聞いてください。「メモワール」。
#24 メモワール
幸: どうもありがとうございます。
「メモワール」、聞いてもらいましたけども、そろそろ今日も、お別れの時間が来たようなんですけども、アルフィーはもう今年で結成して8年なんですね。8年目です。まあ、いろんなことありました。もちろん、いいこともありましたけども、何度かやめようと思ったこともありました。でも今考えると、すごく速く過ぎてしまったなぁって感じがするんですが、まだアルフィーは、細く小さな一本の木です。でもどんな大きな木でも、年輪というのがあって、ある年は寒くて、本当に細い年輪しかできなかった年もあるかもしれません。でもまた次の年、あるいはその次の年に太い年輪ができるかもしれない。その一年ずつの年輪が集まって、あの太い木になると思うんです。
アルフィーもいつか大木になったときに、例えば雨が降っているときに、小さな動物が雨宿りができる、また旅人が疲れを癒すため、ふと寄りかかれる、そんな、みんなに愛される、そして、たくましい木になろうと思ってます。
今日は本当に、寒い中どうもありがとうございました。(大拍手)
僕らには一つ夢があるんですけども、僕たちがフォークソングを始めた頃、先程言いましたけども、いろんなコンサートがありまして、たくさんの人が、たくさんのグループ、また、シンガーソングライターの人たちが集まって、自分の歌を発表しあえる、そしていい意味で競い合える、そんな手作りのコンサートが多かったんですね。
ステージと客とが、歌を通じて一つになれるコンサート、例えば「中津川フォークジャンボリー」とか「唄の市」、そんなコンサートは、最近はとっても少なくなってしまったような気がします。ですからもう一度、僕らの手で、そういうコンサートをやりたいと思ってます。
フォークソングという池に石を投げます。そうすると、最初は小さな波紋です。でも、それがだんだん広がっていって、とっても大きな波になる。僕らはその石になりたいと思ってます。それが僕たちの夢です。
#25 追想
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#26 宛先のない手紙